石王丸公認会計士事務所

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会計情報 > トピックス/バックナンバー No.11~20

会計基準の改正や実務上の留意点などの簡易解説を随時掲載しています。

No.20 セグメント情報の開示免除規定

2007-09-25

企業会計基準委員会からセグメント情報に関する新しい会計基準(案)が公表されています。
企業にとっては、新基準導入によって開示の事務負担が増えるかどうかが、重大な関心事と言えるでしょう。
従来、「セグメント情報」は連結財務諸表における注記項目でしたが、新基準(案)では、個別財務諸表においても開示を義務付けており、しかも、全ての企業を対象としています。
ただし、連結財務諸表を作成している場合は、連結財務諸表においてセグメント情報を開示するので、個別財務諸表における開示は免除されます。
しかし、免除の範囲はもっと拡大してもよいのではないかと思われます。
例えば、親会社が存在していて連結されている会社(連結子会社)の個別財務諸表におけるセグメント情報の開示は、免除されてもよいのではないでしょうか。
連結子会社のセグメント情報は、親会社が作成する連結財務諸表におけるセグメント情報に含まれる形で開示されるので、それで十分と考えることもできるからです。
また、連結子会社自体が連結財務諸表を作成している場合、その連結財務諸表におけるセグメント情報についても、免除できるかどうか検討の余地がありそうです。
これらの点について、企業会計基準委員会にコメントを送付しましたので、検討してもらいたいものです。

No.19 「Rs. in crores」って??

2007-09-10

数秒で2ケタの掛け算ができるといったインド式の計算法に関する本が流行っていますね。
実は、インド人の数字へのこだわりは企業の決算書にも表れています。
日本では、決算書の数字の表記単位として、「千円」か「百万円」を用いるのが通常です。
たとえば、1億円のことを「100百万円」とか、100万円のことを「1,000千円」とか書いたりします。
しかし、「100百万円」や「1,000千円」は、本来の日本語としてはありえない表現で、「億円」や「万円」の単位を使って素直に表示する方が読みやすいはずです。
これは、数字の表記上3ケタごとに「,」(カンマ)を打つ欧米の習慣に合わせて表記した結果、「ひゃくひゃくまんえん」や「せんせんえん」などというおかしな表現になってしまったものと考えられます。
一方、インドでは、インドで日常的に用いられている単位を、決算書でも用いています。
インドの会社の決算書では「Rs. in crores」という単位が使われていますが、これは「千万ルピー」という意味です。(ルピーはインドの通貨単位)
インドでは「crore」(=1千万)や「lakh(lac)」(=10万)という単位が日常的に使用されているそうで、決算書も素直にその単位で表記されており、千ルピーとか百万ルピーという表記はしないようです。
こんなところにも、インド人の数字へのこだわりが表れていると言えそうです。
日本は欧米の制度を表面だけ真似しているわけですが、これは、数字の表記に限らず、最近の会計基準や監査基準にもあてはまるのかもしれません。

No.18 監査報告書量産体制

2007-04-05

今年も早いもので3月決算会社の期末監査の時期を迎えました。
監査に従事する公認会計士にとっては、1年で最も忙しい時期です。
では一体どれくらい忙しいのでしょうか?
大手監査法人のウェブサイトには監査関与先会社数と監査法人の人員数が公表されています。
このデータから、監査報告書にサインをするランクの人たち(監査法人ではこの人たちは「社員」と呼ばれます)が、年間何社ぐらい監査を担当するのかを概算することができます。
たとえば、某監査法人の場合、監査関与先会社数は4,840社(うち、上場会社は974社)、社員数は536人です。
監査報告書には2名以上の社員がサインするという仮定を置くと、4,840×2÷536=18社となります。
上場会社に限れば3.6社です。
他の大手監査法人についても同様に計算してみると、年間20社弱(うち、上場会社が約4社)となります。
実際には、監査以外の業務を中心に従事している社員もいますし、1社の監査報告書に3名でサインしているケースも多いので、この計算結果より多いでしょう。
大半の会社が3月決算ということを考えると、5月いっぱいまで相当忙しいはずです。
また、この他に、自分が担当していない監査を審査(監査法人内での内部チェック)する業務もあります。
この点も考慮すると、年間20社を担当するのは物理的に無理に思えそうです。
しかし、監査法人は、ピラミッド型組織によって、この量産体制を可能にしています。
簡単に言えば、実際の監査作業は社員より下位の補助者に任せ、社員は下から上がってきた報告に基づいてサインするのです。
もちろん、話はそう単純ではありませんが、この仕組みが社員の現場感覚を希薄にしていないか、一考する価値はあるでしょう。

No.17 監査法人組織の弱点

2007-02-28

近年、会計監査での不祥事が相次いでいます。
そのたびに、様々な報道がなされ、多くの意見も聞かれます。
監査法人が監査先企業から監査報酬をもらうという監査の仕組そのものを批判する人もいますが、大抵の監査業務では、その批判は当たっていないと考えられます。
また、監督当局である金融庁は、監査調書の不備や監査手続の不足といった断片的な問題を指摘していますが、これが問題の核心であるとも思われません。
では、会計監査で不祥事が起きる最大の理由は何でしょうか。
それは、監査法人の組織形態に起因する問題にあると思います。
通常、監査法人の組織はピラミッド型をしています。
上位の会計士ほど数が少ないため、一人が担当する会社数が多くなります。
当然、一社あたりにかける時間数は少なくなり、各社における業務の大半は、補助者であるスタッフに任せることになります。
監査法人側のしかるべき責任者が監査先企業へ足を運ぶ頻度が低くなると、監査チーム全体の意思決定の遅れを招き、監査で問題が発見されても、適時に会社と交渉し指導を行うことができません。
特に、監査法人側が企業の経営者と対等に話ができない状況は、不祥事につながるおそれがあります。
また、上位の会計士が不在がちであれば、スタッフの教育もおろそかになりがちです。
このような弱点を監査マニュアルの強化で補おうとすると、マニュアル主義の弊害が起こります。
細部や形式ばかりに気を配ってしまい、大局や実質を見失ってしまうのです。
これは、監査法人が拡大していくにつれて、必ず直面する問題であり、近時の不祥事の根本的な原因は、こうした組織形態の弱点にあると考えられます。

No.16 公認会計士監査検査官ってどんな人???

2007-02-08

「公認会計士監査検査官」を知っていますか?
うっかりすると舌をかみそうなこの肩書きは、金融庁の組織における職務名です。
監査法人が日頃きちんと監査しているかどうかをチェックする仕事をしています。
この「公認会計士監査検査官」、その名称から、公認会計士であると早合点してしまいそうですが、そうとは限りません。
中には公認会計士資格を持つ検査官もいますが、公認会計士でない検査官もいて、「公認会計士」であることと「公認会計士監査検査官」であることとは別次元の話なのです。
さらにやっかいなのはその名刺上の表現で、「公認会計士監査検査官」とひと続きに表記してあればまだわかりやすいのですが、氏名の上に
  公認会計士
  監査検査官
と二行書きで表記されています。
これでは、「公認会計士」兼「監査検査官」であると、誤解されかねません。
ちなみに、公認会計士でない人がその名称を名刺に刷ることは法律により禁止されています。
もちろん、このケースは法律違反ではないでしょうが、名刺を受け取る側への配慮がやや足りないように思います。
公認会計士監査検査官による立入検査は、会計士業界内だけでなく、その顧客先企業にまで及ぶ可能性があり、検査のことをあまり知らない人が名刺を受け取るケースもありえます。
名刺の二行書きが誤解につながりはしないか、心配に思います。

No.15 時間をかければ良い監査が出来るか?

2006-08-06

日本公認会計士協会から「監査時間の見積りに関する研究報告(中間報告)」(公開草案)が公表されました。
内容的に目新しいものはありませんが、監査法人の監査業務のあらましがよくわかる良い資料です。
この報告書の意図は、適切な監査をするためにこれだけの時間がかかるということをアピールする点にあると思いますが、単に時間をかけさえすれば質の高い監査ができるかというと、その点はやや疑問です。
監査をする側にとって一番時間が欲しい局面は、会社の試算表が締まってから決算発表までの間であると言えます。
試算表が締まる前は監査できる項目が限られますし、決算発表後は仮に監査で修正事項が発見されても修正しにくいからです。
また、単に監査時間数を増やすことだけで対処できる問題ではなく、監査を受ける側である会社の理解・協力も不可欠です。
つまり、この期間に十分な監査時間が取れ、かつ、会社の協力のもと実質的な監査の作業に集中できれば、質の高い監査が出来るわけです。
十分な監査を実施するには、どのタイミングでどれだけ時間を確保するか、そのために会社の協力をどう取り付けるかということが重要であると言えるでしょう。

No.14 公開草案へのコメント送付結果

2006-07-08

棚卸資産について低価法を義務付ける「棚卸資産の評価に関する会計基準」が公表されました。
当基準の公開草案は4月に発表・意見募集されており、当事務所からも意見を送付したところ、送付した意見のうちいくつかが基準に反映されました。
そのうちのひとつは、グルーピングによる一括評価に関して「継続適用」が必要であるとした意見です。
棚卸資産の評価にあたってグルーピングを認める場合には、継続適用が求められるはずですが、公開草案ではこの点に言及していませんでした。
確定した基準では、パラグラフ12に「継続して適用することを条件として」の文言が追加されています。
他にも、文章表現の問題として、カッコ書きの中にさらにカッコ書きをする文章(法律の条文によく見かける)があったため、読みにくい旨をコメントしたところ、確定した基準では改められていました。
会計基準の設定には、一個人の意見も意外に反映されるようです。

No.13 内部統制構築の基本方針における最重要項目は?

2006-04-04

会社法により、大会社について内部統制システムの構築の基本方針を決定することが義務付けられました。
大会社では、会社法が施行される本年5月の取締役会でこれを決議しなければなりません。
決議すべき内容は10項目で、会社法第362条第4項第6号に示されています。
まず、この条文の前半部分で、「取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制」が挙げられています。
これは取締役の法令定款違反行為をどう抑制・防止するかということです。
経営理念や役職員行動規範の明文化と周知徹底、取締役間の相互監督と取締役会の適切な運営等がこれに該当します。
同号の後半部分では、「その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制」が挙げられており、これを受けて、会社法施行規則第100条で合計9項目(監査役設置会社の場合)が示されています。
一部の専門誌やウェブサイトでは、施行規則の9項目だけを取り上げ、決議すべき事項は9項目と解説しているものもあります。
しかし、最も重要な項目は、会社法に定められた「取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制」です。
内容からも明らかですし、重要だからこそ施行規則ではなく会社法本文に書かれていると考えられます。

No.12 会計士の情報セキュリティ問題

2006-03-16

公認会計士協会のIT委員会から「公認会計士が業務上留意すべき情報セキュリティQ&A」という研究報告が公表されています。
会計士業界でも、この10年くらいで大手監査法人を中心に業務のパソコン化が進みました。
現在では、相当数の会計士がクライアントのデータをパソコンに入れて持ち歩いています。
Q&Aで述べられているパスワード設定やウイルス対策は常識の範疇ですが、注意喚起という意味では良い内容だと思われます。
ただ、実際のところ、情報セキュリティの問題は、例えばパソコンを電車に置き忘れてしまうなど、上記のような対策以前の問題であることもあります。
これは各人の日頃の注意力の問題なので、組織的に完全な対策を設けることは難しいと言えます。
大手監査法人は大組織なので、この問題で苦労していると思います。
おそらく、セキュリティ対策(教育)は、実際にはほとんど起こらないような最も不注意なケースを想定して行うことが理想になります。
そうなると、場合によっては過剰に規制が行われ、業務の効率性が失われるという別の問題も生じます。
そのバランスをどのようにとるかが、今後の課題になると考えられます。

No.11 収益の総額表示はどこまで認められるか?

2006-03-07

「ソフトウェア取引の収益の会計処理に関する実務上の取扱い(案)」という公開草案が企業会計基準委員会から公表されています。
ここ数年、日本では多くの会計基準が公表されてきましたが、ようやく収益に関する会計基準の議論が始まりました。
この草案の中で注目すべき点は、収益の総額表示に関する論点です。
取引を仲介して手数料収入を獲得する企業が、仕入と売上を総額で損益計上してよいかという問題です。
公開草案では、販売者として通常負担すべきリスクを負っていない場合は、ネット後の純額をもって収益計上すべきとされています。
この公開草案は情報サービス産業に限るものですが、同様の考え方は他の業種にも当てはまります。
例えば、百貨店の売上仕入(消化仕入とも言います。)です。
売上仕入とは、小売店がメーカーや卸から商品を買取らずに店頭に置いておき、売れた分だけ売上と同時に仕入を認識する販売形態を言います。
この場合、百貨店には売れ残りのリスクがありませんが、百貨店は売上と仕入を総額表示しています。
今回の公開草案では、情報サービス産業だけを規制していますが、他の業種をどうするかについて言及がなく、会計基準としてバランスを欠いてしまう可能性があります。

これ以外のバックナンバーはこちらです。
トピックス No.31~40
トピックス No.21~30
トピックス No.1~10

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