第一種中間財務諸表と第二種中間財務諸表…区別しにくい?
四半期開示制度の見直しにより、上場企業等の第1・第3四半期報告書は廃止され、第2四半期報告書が半期報告書へと変更されます。
これにより、半期報告書に含まれる「中間財務諸表」には、次の2通りが存在することになります。
①上場会社等が提出する(新制度の)半期報告書に含まれる中間財務諸表。従前の第2四半期財務諸表に相当。
②非上場会社や銀行等の特定事業会社が提出する半期報告書に含まれる中間財務諸表。以前からある中間財務諸表に相当。
※ただし、非上場会社は、上場会社等に適用されることになる半期報告書の枠組みを選ぶことも認められる(銀行業などの事業を行う場合は除く)。
「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」等の改正案では、この2種類の中間財務諸表・中間連結財務諸表を区別するため、
①を「第一種中間財務諸表」「第一種中間連結財務諸表」
②を「第二種中間財務諸表」「第二種中間連結財務諸表」
とすることが提案されています。
どっちが第一種中間財務諸表で、どっちが第二種中間財務諸表か、わかりにくいなぁ。
世の中には、「第一種」「第二種」という区分けをするものが意外に多くあります。
たとえば自動車免許。第一種運転免許と第二種運転免許の区分けがあります。
【第一種免許】 日本国内の公道を自動車などで走行するために必要な運転免許
【第二種免許】 旅客を運送する目的で、旅客自動車を運転する場合に必要な免許
この場合、第二種免許のほうが上位と考えることができそうです。
一方で、国家資格である電気工事士にも第一種電気工事士と第二種電気工事士の区分けがあります。
【第一種電気工事士】 一般用電気工作物に加えて500kW未満の自家用電気工作物に従事できる
【第二種電気工事士】 一般用電気工作物にしか従事できない
こちらは第一種電気工事士のほうが上位ですね。
「一級」「二級」のような区分けの場合、明らかに「一級」が上位と捉えられます。
これに対し、「第一種」「第二種」の区分けは、「種類」が異なるという意味であって、必ずしも「第一種」が上位というわけではなさそうです。
「第一種中間財務諸表」「第二種中間財務諸表」の区分けはわかりにくいように思えるものの、実はその点を考えたうえでの表現なのかもしれません。
自動車免許の区分けには「仮運転免許」もあるけど、「仮中間財務諸表」は…、あるわけないか。