非上場会社の半期報告書、改正後はどうなる?
上場会社には有価証券報告書の提出が義務付けられますが、非上場会社でも有価証券報告書の提出が義務付けられる会社があります。募集又は売出に届け出を要した有価証券の発行会社や、所有者数が1,000名以上の有価証券の発行会社が対象です。
たとえば、サントリーホールディングス㈱や㈱竹中工務店などは、非上場会社ですが有価証券報告書を作成しています。
こうした非上場会社には、四半期報告書の提出は求められず、半期報告書の提出が求められてきました。
2023年11月に成立した「金融商品取引法等の一部を改正する法律」により、四半期報告制度の見直しが行われます。見直しにより、上場会社等については、第1四半期及び第3四半期の四半期報告書は廃止され、第2四半期では従前の第2四半期報告書と概ね同程度の内容である半期報告書の提出が求められます。
一方、新制度において、前述のような非上場会社の半期報告書の取扱いはどうなるのでしょうか?
改正後の金商法においても、非上場会社は従前とほぼ同様の半期報告書を提出するものとされています(下表②)。
ただし、改正後の上場会社等に適用されることになる半期報告書の枠組み(下表①)を選ぶことも認められます(銀行業などの事業を行う場合は除く)。
半期報告書の様式 | 証明 | 提出期限 | |
① 上場会社等 | 【第4号の3様式】…従来の第2四半期報告書と同程度 (中間連結BS・中間連結PL・中間連結CF) | 期中レビュー | 末日後45日以内 |
② 非上場会社 | 【第5号様式】…従来の半報とほぼ同様 (中間連結BS、中間連結PL、中間連結SS、中間連結CF 中間BS、中間PL、中間SS) | 中間監査 | 末日後3か月以内 |
①を選べば、開示する分量は少なくて、レビューで済むけれど、提出までの期間をこれまでの半分に短縮する必要があるのか。
悩ましいところだな~。
果たしてどちらを選ぶ非上場会社が多いのか、四半期報告制度改正の大騒ぎに隠れているものの、こちらも気になるところです。
おにぎりをパッと食べるか、懐石をじっくり食べるか…、みたいな違いか?
おにぎりをじっくり食べたいところだね。