インフレ期の業績進捗度をどう読むか
1月下旬から2月上旬は、3月決算企業の第3四半期決算発表の時期です。
第3四半期末は年度の75%が経過した時点なので、第3四半期決算については、年度の業績予想値の75%に達しているかどうかという見方があります。
これは一見もっともらしい考え方ですが、どんな場合でも一律に当てはまるかというと、そういうわけではありません。特に、現在のように経営環境が急速に変化している場合は、これからの3ヶ月がこれまでの9ヶ月と同じかどうかはわかりませんので、業績進捗度が75%にならないことも当然あります。
たとえば、富士通ゼネラルの2023年3月期第3四半期決算について業績進捗度を確認してみると、そのことがよくわかります。
同社の2023年3月期第3四半期決算の主な業績数値について、2023年3月期連結業績予想の値に対する比率(業績進捗度)を算出してみると、以下のとおりとなりました。
売上高66%
営業利益20%
経常利益23%
親会社株主に帰属する四半期純利益17%
この数値だけを見ると、業績予想達成は難しいように見えますが、話はそう簡単ではないと思います。
業績進捗度が低いこの状況は、今後の経営環境次第で業績がいくらでも変動する可能性があることを示しているように読めます。インフレや為替相場の動向、製品価格改定の浸透度合い等によって、業績の着地点が大きく変わるのではないでしょうか。
某社経理部長のコメント
日本では今、約40年ぶりの物価上昇率になっているわけだけど、40年前の日本企業でも、やはり先を読むことに苦労してたのかねえ。