『その他の記載内容』はどこか?

2020年11月に監査基準の改訂が行われました。改訂により、2022年3月決算に係る財務諸表の監査から、監査報告書に新しい区分が設けられます。

新しい区分は…、その名も『その他の記載内容』です!!

???

何を指すのかわかりにくいですが、『その他の記載内容』は、『監査した財務諸表を含む開示書類のうち当該財務諸表と監査報告書とを除いた部分の記載内容』のことを言います。

有価証券報告書を例にすると、

 第一部 企業情報
  第1 企業の概況
  第2 事業の状況
   …
  第5 経理の状況
    連結財務諸表・財務諸表 ←監査対象はココ!!
   …
 監査報告書

青色下線以外の部分は『その他の記載内容』なので、有価証券報告書のうちのかなりのページ数は『その他の記載内容』ということになります。

改訂により、以下が明確化されています。

  • 監査人は、その他の記載内容と財務諸表又は監査人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうかについて検討する
  • 監査人は、財務諸表や監査の過程で得た知識に関連しないその他の記載内容についても、重要な誤りの兆候に注意を払う

また、監査報告書の『その他の記載内容』の区分に、その他の記載内容に対して監査人は意見を表明するものではない旨などを記載することになります。

某社経理部長のコメント

前半部分も一生懸命書いてるのに、『その他』なのかぁ。