分配可能額は公認会計士試験の過去問で学ぶとよい
日経新聞電子版に「EY新日本やPwCあらた、分配可能額で内部に注意喚起」(2023年7月24日付)という記事が出ています。今年6月に報道されたニデックの分配可能額規制違反の一件を受けての動きのようです。
上場会社において、分配可能額規制違反はこれまでも2~3年程度おきに発生しています。全体から見れば極めてまれなことですが、実務上、ないわけではないのです。
そうした背景からか、公認会計士試験の短答式試験(財務会計論)でも、分配可能額を算定させる問題が時折出題されます。 過去10年間における出題実績は次のとおりです。
令和3年(2021年)5月短答式
平成30年(2018年)12月短答式
平成26年(2014年)5月短答式
(この出題間隔からすると、2023年12月の短答式は対策しておいた方がよいかもしれません。)
いずれも期末のBSを与えられて、そこから計算をして分配可能額を求めるパターン化された問題です。難易度はそれほど高くなく、良問です。実務においても、この3問を解いて、分配可能額の知識を再確認してみてはどうでしょうか。
某社経理部長のコメント
うちの会社は剰余金が少ないもんだから、分配可能額はいつも気をつけて確認してるよ。もっと儲かって剰余金がいっぱいたまれば、気が楽になるんだが・・・。