減損損失発生でわかる米国経済の急速な悪化

亀田製菓が、減損損失1,792百万円を2023年3月期第3四半期に計上すると発表しました(亀田製菓「特別損失の計上及び繰延税金資産の取り崩し並びに業績予想の修正に関するお知らせ」2023年1月23日)。
これは、亀田製菓の連結子会社である米国の Mary’s Gone Crackers, Inc.の収益性の悪化を原因とする、同社に係る固定資産の減損処理とのことです。

亀田製菓の直近の開示書類での記載を確認する限り、今回の減損処理は予想外だったとも解され、ゆえに、米国経済が急速に悪化していることがうかがえます。
上記リリースの直近(2023年3月期第2四半期)の開示書類から、Mary’s Gone Crackers, Inc.に関する記述を抜き出してみます。

四半期報告書(2023年3月期第2四半期)
「Mary’s Gone Crackers, Inc.は商品ラインアップの拡充により大幅に増収」
「Mary’s Gone Crackers, Inc.では原材料費の上昇に加え、新商品導入に伴うコスト増の影響で減益」

亀田製菓グループ2022年度第2四半期決算説明会質疑応答要旨
「Mary’s Gone Crackers. Inc.はオーガニック原材料の価格高騰への対策を進めている」

亀田製菓グループ2022年度第2四半期決算説明会
「Mary’s Gone Crackers‐1Q(1-3月)の欠品による機会ロスは解消し、2Q(4-6月)は黒字化」

プラス面マイナス面それぞれあり、これらの記述からその後の減損損失計上を予想することは難しいです。

某社経理部長のコメント

それがわかれば苦労しないよな
経済の先行きも読めないし、難しい判断なんだろ