押印廃止…哀しきハンコたち

他の様々な書類と同様、従来、監査報告書には、公認会計士又は監査法人の代表者が「自署し、かつ、自己の印を押さなければならない」ものとされていました(改正前・公認会計士法施行規則第69条など)。

この「押印」が、令和3年9月1日から廃止されることになりました。

近年のデジタル化の進展に加え、コロナ禍において関係者にリモート対応が迫られたことが、押印廃止を後押ししたと考えられます。

多くの書面で不要とされつつある「ハンコ」。 押印されていることが信頼や信用につながるという日本独特の文化は、このまま薄れていくのかもしれません。

なお、令和3年5月に公布された「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」により、監査報告書も含めた多くの手続について、押印が不要とされたほか、書面の交付も電磁的方法により行うことが可能になりました。

監査報告書については、被監査会社の承諾を得た場合に、監査報告書の発行を電磁的方法で行うことができます。

ただし、この被監査会社の承諾は、口頭ではなく、書面又は電磁的方法によることが必要とされているので(公認会計士法施行規則第12条の2第1項、第24条の2第1項)、書面を整える手間は増えることになりそうです。

某社経理部長のコメント

また書面が増えるの?勘弁してよ!