インフレと企業の運転資金
アヲハタが2022年11月期の決算を発表しました。昨今の物価高騰を背景に、財務数値が興味深い動きを示しています。
連結キャッシュ・フロー計算書の営業キャッシュ・フローの小計欄の額(142,941千円)が、連結損益計算書の営業利益の額(346,933千円)よりかなり少ないのです。原因は棚卸資産の増加によるキャッシュの減少(△696,118千円)です。原材料の高騰により運転資金が増加したとみられます。
営業キャッシュ・フローの小計欄は、税金支払い前の営業キャッシュ・フローであり、営業損益と対比しうる数値と一般に考えられています。そして、営業キャッシュ・フローの小計欄の額が営業利益を大幅に下回る場合は、営業利益にキャッシュの裏付けがないと言われます。
もちろん、単年度の数値だけでどうこう言えるものではありませんが、インフレと企業の運転資金の関係は、企業のフリー・キャッシュ・フローにも影響が及ぶので、気になるところです。
なお、同様の現象は他の企業でも観察されており、たとえば、日本軽金属ホールディングスの2023年3月期第2四半期が同様の状況となっています。
某社経理部長のコメント
価格転嫁ができていないとこうなるのかな??・・・ちょっと難しいね。あんまり考えるとハゲるから、やめとこ。