削った3文字は?

日常生活ではほとんど見ることのない監査報告書。よく見るとこのような表記があります。

我が国では、監査に関する原則的な規定として「監査基準」が定められており、一見すると、上述の「一般に公正妥当と認められる監査の基準」は「監査基準」を指すように感じられます。 しかし、「一般に公正妥当と認められる監査”の”基準」は、「監査基準」だけを指すものではありません。

「監査基準」は金融庁の企業会計審議会から公表されているものですが、「監査基準」を実務に適用するための具体的な詳細規定としては、日本公認会計士協会に設置されている各委員会から報告書などが公表されており、 これらも「一般に公正妥当と認められる監査”の”基準」の一部を構成しています。

その中心は「監査基準委員会報告書」という表題のついた資料群です。(例:監査基準委員会報告書540「会計上の見積りの監査」)

協会の監査基準委員会が公表する報告書という意味の表題と考えられますが、この報告書の名称が、「監査基準報告書」へと変更されることになりました。

よ~く見てみると、「委員会」の3文字が削られていますね。

「委員会の報告書」と「基準の報告書」とではニュアンスが少し違う気もしますが、膨大な公表物を体系化する取り組みの一貫ということのようです。 (協会内の「監査基準委員会」も「監査・保証基準委員会」へと名称変更。)

ただし、残念ながら、表題の3文字を削っても、公表物の量そのものが膨大であることに変わりはありません。

某社経理部長のコメント

もっと短くするために「基準」の2文字も削ったら…あっ、「監査報告書」になっちゃうからダメか!