インフレ率を考慮した前年度比較
物価が上がっています。
物価が上がっている場合に、物価上昇を考慮した売上高(4月から9月の6ヶ月で考えます。)の前期比較をどうやって行なったらよいか考えてみました。
日本の消費者物価指数は、2022年4月以降、現在まで以下のように推移しています。
2022年4月101.5
2022年5月101.8
2022年6月101.8
2022年7月102.3
2022年8月102.7
2022年9月103.1
これに対して、その前の年(2021年)の4月から9月の消費者物価指数の平均値は99.6でした。
IFRSの超インフレ会計は、3年間で物価が2倍になるような状況で適用される会計手法ですが、考え方自体は超インフレの場合でなくても当てはまります。仮に現在の日本企業に適用するならば、前期の売上高を現時点の物価に合うように調整する方法は次のとおりです。
インフレ調整後の金額=インフレ調整前の金額×現時点の一般物価指数÷計上時の一般物価指数
おおざっぱではありますが、上のデータで計算するならば、次のようになります。
インフレ調整後の前期売上高=前期売上高×103.1÷99.6
=前期売上高×1.04
(本来的には、この計算を少なくとも月次ベースで行うべきですが、便宜上、4月から9月の平均値で行っています。)
一方、当期(4月から9月まで)の売上高についても4月から8月に計上されたものを、上記と同様の計算で9月末時点の物価に合わせて調整する必要があります。4月から9月にかけては右肩上がりで指数が上昇しているので、この調整を行うと、当期の売上高も膨張すると予想されます。
そうやって算定された前期と当期の売上高を比較することになります。 日本では、消費税の影響を除くと、長らくインフレ率が0%近辺でしたので、こうした感覚が失われていましたが、今後はインフレ率を意識した数字の見方が必要になる場面もあるかもしれません。
某社経理部長のコメント
オレの髪の毛は相変わらずデフレ状態だけどな