子会社がグループ外から70で購入した商品が親会社に100で売却され、期末では親会社に在庫として残っているケースを考えます。【基礎編⑦】と数値は全く同じで、販売の流れだけが逆になったケースです。
子会社には非支配株主が存在し、その持分は40%とします。

この場合も【基礎編⑦】と同様の連結修正仕訳を行い、棚卸資産に含まれる未実現利益(子会社が上乗せした利益)を消去します。
ただし、消去した未実現利益のうち、親会社に帰属するのは、親会社の持分60%相当(30×60%=18)だけです。
非支配株主持分40%相当(30×40%=12)については、非支配株主持分に負担させる必要があります。

【連結修正仕訳】(税効果は考えない場合)
(売上原価)30(棚卸資産)30
(非支配株主持分当期変動額)12(非支配株主に帰属する当期純利益)12

【基礎編⑦】と同じように、翌期には開始仕訳と実現仕訳を行います。

【翌期の連結修正仕訳】(税効果は考えない場合)
開始仕訳
(利益剰余金当期首残高)30(棚卸資産)30
(非支配株主持分当期首残高)12(利益剰余金当期首残高)12
実現仕訳(前期の仕訳を反転させればよい)
(棚卸資産)30 (売上原価)30
(非支配株主に帰属する当期純利益)12(非支配株主持分当期変動額)12

税効果を考慮する場合については、連結会計テキスト【実践編①】連結会計特有の税効果 で解説しています。